題目名:物体背後の円柱に生じる空力不安定振動に関する一連の研究

  1. Fumiaki Nagao, Minoru Noda and Masahiro Inoue, Effects of Surface Roughness of Circular Cylinders on Wake Galloping, PRoceedings of 13th International Conference on Wind Engineering, 8 pages, 2011.
  2. Fumiaki Nagao, Minoru Noda, Masahiro Inoue, Basic Study on Wake Excitation of Tandem Circular Cylinders under Central Distance of Three Diameters, 9th Int Symposium on Cable Dynamics, 8 pages, 2011.

授賞理由

斜張橋等の並列ケーブルのように,近接配置された並列円柱の風下側円柱に生じる空力不安定振動現象(以下,ウェイクエクサイテーション)は,これま で多くの研究者がその発生機構について検討を重ねてきている注目すべき空力現象の一つである。ウェイクエクサイテーションは風上側の円柱の後流と風下側円 柱との相互作用によって発生すると考えられており,従来から円柱の配置状況とレイノルズ数に強く依存することが指摘されてきた。長尾文明氏はレイノルズ数 の影響に着目し,レイノルズ数の影響を受けにくい角柱を風上側円柱の代わりに配置して,角柱背後の円柱に生じるウェイクエクサイテーションの発生機構を新 たな視点で検討した。その結果,円柱周りの位相平均流れ場並びに位相平均圧力分布特性から,角柱からの位相平均的な剥離線断層の動きが円柱のウェイクエク サイテーションの発生に及ぼすレイノルズ数の影響はむしろ2次的なものであることを示した。これらの成果を発展させて,近接タンデム配置の並列円柱を対象 に固有振動数や円柱表面粗度の影響について実験的検討を行い,風上側の円柱表面粗度のみならず風下側円柱の表面粗度もウェイクエクサイテーション応答に寄 与することを明らかにして上記2つの論文を取りまとめている。これらの成果とともに,その着眼点と一連の研究手法に取り組んできた力量は高く評価できる。 以上の理由により,長尾文明氏に日本風工学会賞(論文賞)を授与する。

長尾先生,おめでとうございます。