強風中で構造物はさまざまな挙動を見せます。写真は1942年にアメリカに架けられたTacoma Narrows Bridgeですが、わずか19m/sという風でねじれフラッターという現象によって崩壊してしまいました。この事故をきっかけに、長大構造物や高層建築 物は、設計段階における空力的不安定性の検討が不可欠であるという認識が広がっていきました。

風によって発生する構造物の振動現象には、主なものとして渦励振、バフェッティング、フラッターがありますが、斜張橋に見られる斜めに張られたケーブル には雨天時に発生するレインバイブレーション、並列ケーブルで発生するウエイクエクサイテーションなども存在します。いずれの振動も、構造物にとっては望 ましいものではなく、Tacoma Narrows Bridgeを崩壊せしめたフラッターのように絶対に発生させてはならないものも存在します。

これらの現象があまり目にされない、つまりマイナーな現象であるかのように認識されることがあるのですが、これは大きな誤解です。設計段階から風に よる問題が起こらないように十分な検討がなされているがゆえに発生しないということであり、風の問題が日常的に起こらないことこそ風工学の成果だといえる のです。

風工学研究室では、風が引き起こす構造物の振動現象を対象に、以下のようなテーマに取り組んでいます。

  • 高欄形状が橋梁の耐風安定性に及ぼす影響に関する研究
  • ウエイクエクサイテーションの発生メカニズムに関する研究
  • バフェッティングの原因となる変動空気力の形成メカニズムに関する研究

また,過去に風工学研究室において耐風安定性を検討した橋梁をこちらでご覧いただけます。